2026年2月3日(火)にKJ英語ディベート大会を行いました。

この大会に向けて生徒たちは各クラス内でチームを編成して戦い、クラス代表を決めてきました。最初のうちは日本語でディベートの形式に慣れてから、英語での実践練習を重ねました。特に2年生の普通科のクラスでは、ALTのWilliam先生との授業で楽しみながら、反論の練習を行ってきました。
KJ英語ディベート大会は、英語での即興による発信力を高め、生徒の論理的思考力を育成することを目指して始めた取り組みです。今年で5年目になりました。

KJで行っている即興型英語ディベートのルールをご紹介します。3人〜4人で1チームを作り、じゃんけんで肯定側と否定側に分かれて対戦します。論題(お題)を発表した後、チームそれぞれで12分の準備時間の間に、賛成・反対の理由2つとそれを支える具体例などを準備します。紙の辞書や電子辞書は使用できますが、タブレット端末などの通信機器は大会ルールで使用禁止となっています。

準備時間が終わると、肯定側から約2分で理由を説明し始めます。続く否定側は、肯定側が言ったことに対してその場で反論をしてから、自分たちの理由を述べていきます。ターン制となっており、肯定①―否定①―肯定②―否定②―肯定まとめ―否定まとめ、という順番でチームの一人ずつが英語で話します。
ジャッジはALTの先生を含めて2名です。発表者1人につき、内容5点、表現5点の計10点で評価していきます。内容点については、論題を多角的に捉えているか、それがどれほど深刻な問題なのか、将来的にはどのような影響があるかなど、生徒の思考力を評価します。また、相手チームへの反論がきちんとできるかどうかが勝敗を分けます。
表現の点数の中には、タイムマネジメントが含まれています。規定時間の2分〜2分30秒を過不足なく使って、自分の意見を述べられているかどうかがポイントとなります。
ここからはKJディベート大会の決勝戦の様子をレポートします。
決勝戦は2年生の髙橋・三澤・吉田チームと、1年生の髙野・安井・伊藤チームの対決でした。どちらのチームにも秋田県の即興型ディベート大会に参加した経験がある生徒がおり、白熱した対戦となりました。
論題は、Following your dream is more important than a high salary.「高い給料をもらうことよりも、夢を追いかけることの方が大切である。」でした。じゃんけんの結果、2年生チームが肯定側、1年生チームが否定側となりました。
2年生チームの肯定ポイントは、① We can keep our motivation. 「モチベーションを保つことができる。」② We can get a feeling of happiness.「幸福感を得られる。」で、1年生チームの否定ポイントは、① You can also follow your dream with that moeny. 「高い給料で夢を追うこともできる。」② You can live a stable life.「安定した生活を送ることができる」でした。どちらのチームも3番手のまとめの生徒に説得力がありました。
2年生チームの吉田さんは、The most important point is that we can keep our motivation. Recently, many people retire from their jobs immediately, but I think this has negative effects. By following dreams, we can acquire continuation skills in many fields.と話していました。

添削すると、The most important point is that we can stay motivated. Recently, many people quit their jobs very quickly, which I believe has a negative impact. By pursuing our dreams, we can develop the ability to persevere in many fields.「最も重要なことは、私たちのモチベーションを保つことができるということです。最近では多くの人々がすぐに仕事を辞めてしまいますが、これには悪影響があると思います。夢を追うことによって、私たちは様々な分野で粘り強く継続する力を養うことができます。」となります。
一方で、1年生の伊藤さんは The most imortant point is getting a high salary. It leads to our dream. By getting a high salary, we can buy anything. Following your dream, there will be accidents for the future. But it becomes a high risk. Following your dream is too hard. We couldn’t continue. Safe life is more important.
添削すると、The most important point is getting a high salary. It leads to our dreams. With a high salary, we can buy anything. However, following your dream can lead to unexpected risks in the future. It becomes a high risk, and following your dream is too hard. We might not be able to continue. In the end, a safe life is more important.「最も重要なポイントは、高い給料を得ることです。それが私達の夢につながります。高い給料で、私達は何でも買うことができます。しかし、夢を追うことは将来、予期せぬ事故のリスクに繋がる可能性があります。それはリスクが高く、夢を追うことはとても難しい。夢を追い続けることができなくなるかもしれません。安全な暮らしのほうがより重要です。」と、ディベートを締めくくりました。(↓写真は準決勝での1年生チームの様子)

途中経過は割愛しますが、両チームともポイントと具体例の着眼点が面白く、相手に伝わるようにはっきりと話していたのが好印象でした。さらなる改善のためのアドバイスとしては、具体例をもっと深堀りするといいでしょう。
例えば、2年生チームでは、negative effectとは具体的には何が考えられるのか(転職に伴う給料の減少など)。1年生チームでは、夢を追うことで出会うリスクとは何なのか(夢が叶わなかった時に就職先が見つからない、プロスポーツ選手を目指していたがケガをしてしまう、など)。さらに具体的に指摘できるといいです。また、自分が挙げた具体例はどれほど深刻なものなのか、将来どのような影響を社会に及ぼすと考えられるか、についてまで話すことができると、説得力のある議論になります。
審査の結果、僅差で2年生チームが優勝を手にしましたが、試合が終わればお互いの健闘を称え合う、爽やかな笑顔が印象的でした。1年生にとっては先輩の壁の厚さを知る貴重な経験になり、2年生にとっては最上級生としての意地と成長を見せる素晴らしい機会となりました。
早いもので、このKJ英語ディベート大会も今年で5年目を迎えました。最初は英語で話すことにドキドキしていた生徒たちが、今では自分の意見を堂々と論理的にぶつかり合わせるまでに成長しています。
来年度も、生徒たちが「間違えても大丈夫」と思えるような、温かくも活気ある学びの場を作っていきたいと考えています。単に英語のスキルを磨くだけでなく、相手の意見を尊重しながら、自分の考えを自分の言葉で届ける喜びを、もっと多くの生徒に味わってもらいたいです。
