令和3年6月  策定
令和5年5月一部改訂
令和6年4月現状の数値を更新

「大館国際情報学院高等学校 中期ビジョン(5か年計画)」

Ⅰ本校が目指す姿
 ① 学校の現状や課題
 本校は、県立2校目の併設型中高一貫教育校として平成17年に開校し、平成27年10月には創立10周年記念式典を挙行、次の10年に向け新たな歩みを始めている。 本校設立のねらいは大きく二つある。一つ目は、高校入試のない6年間というスパンで、よりじっくりと優れた人材を育成すること、二つ目は、そうした魅力ある学校づくりを進めることを通して、特に中学生の進路意識を刺激し、より高い自覚をもってそれぞれの中学生活を送らせ、県北地区の教育の更なるレベルアップに資することである。
 本校の使命・存在意義は教育目標として次のように示されている。
「共生の精神をもち、主体的に力強く生きる人間の育成」
(1)6年間の計画的・継続的な教育活動を通して、生徒の個性や創造性を伸ばし、
多様な進路希望に対応できるようにする。
(2)多様化する社会において互いを尊重し、助け合うことができるようにする。
(3)国際社会で必要とされる能力を総合的に身に付け、活躍できるようにする。
(4)高度情報社会において自らの可能性を広げることができるようにする。
(5)郷土から学び、郷土を愛することができるようにする。
 本校では、国際教育を推進するため、中学校のカリキュラムに「イングリッシュア
クティビティ」を設定しており、中高を通して、スピーチコンテスト、英語劇、海外修学旅行、国際交流セミナー参加、海外研修や海外姉妹校交流、留学の推進等々に取り組んできた。また、情報教育については、高校の国際情報科はもとより、普通科や中学校においても総合的な探究の時間などを中心にその充実を図ることに力を入れてきたが、これまで以上に学びの質を高めるために、ICTを活用した教育の推進を目指す。そして、令和4年度入学生からは、普通科において「デジタル探究コース」を設置して、プログラミングの学習にも力を入れている。
こうした取組の成果を一層確かなものとするため、個々の取組を関連付けて、より一層充実させ、学校全体としてどのように教育目標に迫るのか、さらに意識的・計画的にプログラムを構築する必要がある。
 今後は、高校からの入学生にとっても学びがいのある確かな育成プログラムを構築し、地域の期待や信頼に応えられる学校づくりに努めたい。「教育目標が達成される特色ある教育を行っている」との評価が得られるように、国際化・情報化に対応した人材を育てる学習プログラムを再構築し、中高一貫教育校の魅力を一層高めたい。  そして、県北全域から志願者を集められる学校に成長させ、本校の社会的使命を果たしていきたい。
 ② 学校を取り巻く将来の状況の予測
 本校へ進学する生徒の多い鹿角小坂、大館北秋地区の少子化・高齢化の進行は、学校を取り巻く地域社会の衰退につながりかねず、地域の教育力の低下を招くことなども危惧される。
 現代社会は、情報化・グローバル化の進展により、時間と距離の壁が見事なまでに突破され、民族や国家の壁を越えた世界となっている。こうした世界的趨勢に鑑み、大館市では、従来からの社会経済・地域振興策として退職者、高齢者の活用による農業やリサイクル産業誘致を始めとする工業活性化策、空き店舗活用の促進等による商業活性化策等々、多方面からの施策を講じて地域社会・地域経済の活性化を図ろうとしている。
 一方で、地元企業の世界的に通用する高い技術力や優れた特産品等をもって近隣諸国等の海外に打って出るとした、地域創生を目指した方針が示されており、グローバルな視野をもちながら、ふるさとの発展を志向し、地域にあるいは世界に貢献しようとする人材の育成は急務である。さらにその実務面での交渉等の際に活躍しうる人材として、専門知識を根底に備えたビジネスコミュニケーション能力等をもった人材育成も強く求められており、普通科と国際情報科を設置している本校の果たす役割は一層増大するものと捉えている。
 ③スクール・ポリシー
(ⅰ)グラデュエーション・ポリシー(目指す生徒像)
(1) 志を高くもち、夢の実現に努力する力の育成。
(2) 主体的に学習に取り組み、探究する力の育成。
(3) 積極的にコミュニケーションをとり、お互いを尊重し、認め合う力の育成。
(4) たくましく生きる力をもち、挑戦し続ける心の育成。
(5) ふるさとに誇りをもち、郷土の発展に寄与しようという気概の育成。
 
(ⅱ)カリキュラム・ポリシー(本校の学び)
(1) 一人一人の生徒を大切にし可能性を伸ばす。
   ・ 基礎学力の定着を重視しながら、個別最適な学びと協働的な学びから社会の変化に対応できる力を養う。
  ・ ICTを効果的に授業で活用し、個々の学習状況に応じた学びを実施する。
(2) 国際社会に目を向け、異文化と共生する。
   ・ 異文化を背景にもつ人々と積極的に外国語でコミュニケーションをとる力を養う。  
   ・ 異文化に興味をもち、相手の立場やグローバルな視点でものを考えることが
できる力を養う。
(3) 高度情報社会に対応する。
   ・ ICT活用推進モデル校、普通科のデジタル探究コース設置等、DX、プログラミング、AI、IoT等に対応できる力を養う。
(4) 「開かれた学校」として、地域とともに歩む。
  ・  地域と関わる体験や地域資源を積極的に活用する取組をとおして、地域の発
展に貢献しようという気持ちを養う。
 
(ⅲ)アドミッション・ポリシー(求める生徒像)
【普通科】   探究的な学習活動を通して、周囲と協働しながら主体的に課題解決に取り組む資質能力の育成を図っていることから
        ア  四年制大学進学への志を高くもち、主体的に学習に取り組み、探究する生徒。
        イ  学校生活において積極的にコミュニケーションをとり、互いを
認め合うことができる生徒。
        ウ  部活動において顕著な成果を収めており、入学後も継続して活動する意欲のある生徒。
【国際情報科】 探究的な学習活動を通して、地域経済をはじめとする経済社会の発
展に、商業の学びを活かす人材の育成を図っていることから
        ア  各種資格の取得を目指し、主体的に学習に取り組み、探究する生徒。
        イ  学校生活において積極的にコミュニケーションをとり、互いを認め合うことができる生徒。
        ウ  部活動において顕著な成果を収めており、入学後も継続して活動する意欲のある生徒。
Ⅱ 5年間を通しての具体的な目標と取組
 ①5年間を通しての具体的な目標
指標名現状(年度等)目標(以上)
皆勤賞受賞者5.3%(令和4年度)
15.0%(令和5年度)
25%
就職決定率100%(令和4年度)
100%(令和5年度)
100%
国公立大学合格者数13人(令和4年度)
5人(令和5年度)
20人
東北大学等難関大学及び
医学部合格者数者数
0人(令和4年度)
0人(令和5年度)
複数人
国際教養大学合格者数0人(令和4年度)
0人(令和5年度)
複数人
海外研修参加者数
(姉妹校交流含む)
0人(令和4年度)
5人 令和5年度)
5人
小中への海外交流紹介回数0回(令和4年度)
0回(令和5年度)
7回
実用英語技能検定準2級以上合格者9%(令和4年度)
8%(令和5年度)
15%
全商商業経済検定1級合格率50%(令和4年度)
30%(令和5年度)
30%
全商簿記実務検定1級合格率46%(令和4年度)
42%(令和5年度)
30%
全商情報処理検定1級合格率19%(令和4年度)
63%(令和5年度)
30%
 ② 目標を達成するための具体的な方法、取組等について
1「基本的生活習慣の確立と健康な心と体の育成」
 挨拶を励行し、規律ある生活態度を身に付けさせるとともに、中高合同行事や部活動などの特別活動の充実により、豊かな心と健やかな体を育成する教育を推進する。
2「特色ある中高一貫教育の推進」
 中高の接続を円滑に行い、中高一貫教育校として6年間を見通した組織的な指導を継続する。学力向上を目指して全校をあげて授業改善に取り組み、確かな学力と豊かな人間性を育む教育を推進する。
3「キャリア教育の推進と自立した学習者の育成」
 地域連携強化や体験活動の更なる充実を図り、発達段階に応じたキャリア教育を実施する。6年間を見通したPDCAサイクルによる中高の系統的なキャリア教育を通して、主体的に進路を考え選択し、自ら学ぶ意欲や態度を養い、思考力・判断力・表現力等の能力を育成する。
4「国際教育・外国語教育・情報教育・商業教育の推進」
 国際教育と情報教育等を主軸とした系統的指導プログラムを、LHRや総合的な探究の時間等を活用して構築し、国際交流活動の推進、コミュニケーション能力や情報活用能力、マネジメント能力、ビジネス実務能力等の育成を目指す。同時に、そこで育成される資質能力を活用し、主体的・探究的な姿勢を育む自由課題研究等の推進に努める。
5「開かれた学校として、地域社会との連携の強化」
 教育活動の成果を積極的に地域に還元し、活性化に資するとともに、地域の各種団体等、地域の教育力を教育活動の中に生かし、相互の連携及び協力に努め、社会の一員としての自覚と責任感等を育てる教育を推進する。

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