大館国際情報学院中学校について

2024/04/01

 令和6年度、本校は創立20年目を迎えます。開学以来、国際化・高度情報化社会に対応できる人材の育成を目指し、特に外国語教育とICT教育を充実させてきました。これまで本校で学んだ生徒たちは、多種多様なキャリアの担い手として、それぞれの地域社会に貢献する存在となっています。
 さて、数年来のコロナ禍は人と人との関わり方に大きな変化をもたらしました。素顔をさらし、相手と向き合ってやりとりする機会が劇的に減ったとともに、病院も介護施設も保育園も、以前のように訪問することができなくなりました。コロナ禍は明けたという感覚はありますが、それでもコロナウイルスに対する警戒が不要になることはなく、今後も一定レベルの配慮が必要だと思います。
 そんな時代ですが、かえって進化したこともあります。ご想像のとおり、ICTの普及です。全ての児童生徒が授業や探究活動などさまざまな場面でICT機器を活用できるようになりました。本校においては、タブレット端末を使って海外の生徒と交流したり、オンラインで英会話学習をしたりと、よりグローバルな使い方をしています。ICT活用能力と外国語能力の育成を教室内の閉じた学びで終わらせず、校外・国外の人たちとの有用なコミュニケーションツールとして高める、そんな多くの学校で希求している新しい学びが、国際情報学院では実際に行われています。
 ところで、この学校に勤務して新たに学んだことを一つ思い出しました。それは大学入試のことです。本校は中高一貫教育校なので、中学生のうちから高校・大学・その先の未来について学ぶ機会がたくさんあります。例えば皆さんは、昨今の大学入試のシステムが数十年前とは大きく異なる(当たり前ですが)ことを知っていますか?誤解を恐れずにざっくりと言えば、大昔の時代には一握りの優秀な生徒の特権であった「推薦入学」が、今や大きく枠組みを広げ、学校推薦型選抜・総合型選抜と呼ばれる選抜方法になっています。学科試験によらず、高校での評定や小論文、面接などにより年内に入試を行います。2023年3月の文科省の報告では、これが受験生全体の過半数を占めていました。各教科の筆答試験による「一般選抜」で合格する受検生は、驚くなかれ半分以下なのです。入試で使う教科だけを必死になって勉強していればよいという時代は、完全に終わっていたのです。
 大学入試は、社会が求める人物像に沿って変遷しています。現在の小・中・高の学校教育もそれは同様で、基礎・基本の力が必要なのはもちろんですが、数学や国語の問題が解けるというだけではなく、正解がない(複数の答えがあるとも言える)問いに対して他者と協働して最適解を見いだしたり、新たな問いを発しその解決に向けて一人あるいは多様な他者の協力を得て追究したりすることが求められています。このような、いわゆる主体的・対話的で深い学びにいち早く取り組んでいるのが、中高一貫教育を進める国際情報学院の特徴です。
 本校の教育活動に興味をおもちになった方は、どうぞ体験入学においでになって施設や授業の様子をご覧ください。小学生や中学生のお子様がいる保護者様は、是非一度おいでいただければ幸いです。忌憚のない質問や御意見をお待ちしています。

中学校教頭 佐々木 司